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漫画

劇場版銀魂 THE FINAL 感想語り

更新日:

劇場版銀魂見に行きました。
案の定ぼろ泣きしました。

最終回からしばらく経っていて、詳細な内容はすっかり忘れての鑑賞でしたので余計に感情を揺さぶられました。

いやむしろ読み返す前に見てよかった。

今回はその感想です。
ネタバレ注意!


特典の鬼滅カードは別にいらないなーと思ってたらまさかの銀ちゃんでした!!!

勝ち!!!

THE FINALはまさに「松下村塾としての銀ちゃん」の物語。

匂わせられつつもなかなかはっきりとは語られなかった、松下村塾の仲間たちとの過去と絆を前提として始まりました。

開幕のドラゴンボールパロディによるあらすじ説明は「なんだこれ???」と困惑しましたが、内容うろ覚えの私には大変助かりました。
映画だけの演出かと思ってましたが、あとから原作読んだら結構そのままでしたね。流石銀魂。

原作のラスト以外は正直あまり覚えていなかったので、最初から銀時高杉桂が三人一緒にタワーへ乗り込もうとしていたのに結構衝撃を受けました。

何故三人が行動を共にしているのか、のシーンはまるごとカットなんですよね。結構大胆。

映画の内容からして当然なんですが、完全に銀魂読者向けですね。

でも逆にそこが信頼できるというか、描くべきところがあるからこそ出来る事なんだなと思えました。

とりあえず
「なんやかんやあって三人は同じ目的をもって松陽(もしくは虚)に会いに行くんだな!」

という認識で鑑賞続行。(雑)

三人が共闘しながらタワーを駆け上がっていくシーンは、あんなにも刃を向け合っていたのに…と感慨深く、そこだけでもう若干泣きそうになってました。

この映画を通してそうですが、このあたりだと高杉と桂に対して銀ちゃんはかなり素直に言葉を発していますね。

あんまり銀ちゃんは思っていることは口に出さず、行動で示すキャラクターだと思っていました。

バトル時には敵に対して本気の言葉をかけはしますが、仲間内だと基本、茶化してはぐらかしますよね。

でもここでは、一番素直になれなさそうな幼馴染二人に、素直に言葉をかけている印象。

やっぱり銀ちゃんにとって、どれだけ敵対し合おうともこの二人は、ともに生きて、戦って、なにより同じ悲しみを背負った大切な存在なんだろうな、と感じました。

だから失いたくないし、守りたい。

そんな二人と、10年ぶりに、一時であっても同じ目的の元に行動できる唯一の、おそらく最後の機会。

だからこそ言葉にしておこうと気になったのでしょうか。
それとも、単に2年で大人になったのか。

まあ桂は放っておいても自分の道を突き進むし希望を持って生きていっているので、それはそれで銀ちゃんにとっては有難い存在な気がしてます。

高杉はちょっと歪みまくっているので、桂がいないとね。

ちょっと2人の想いが重すぎる。

この三人組が丁度良いバランスで好きです。

そんな三人が進んでいく中で、途中で桂がはぐれてしまう。

その後の銀ちゃんと高杉の共闘はより熱かったですね…!

息ぴったりで、なによりお互いがお互いを守ろうとしているのがより分かりやすく表現されていて。

これは最終局面前の話でもありますが、銀ちゃんが高杉を守ろうとしているのと同様に、高杉もまた銀ちゃんを日常に戻そうとしているんですよね。

「二度も師を切らせるわけにはいかない」という最後の言葉もありますし。

高杉も銀ちゃんと同じくあまり言葉にはしないキャラクターですが、同じ目的の戦いの中ではお互いを守りつつ戦う。

そういう言葉ではなく行動で示す二人がカッコ良かったです!

そしてだからこそ。

最後のあの二人の時間は、銀魂という作品の中でも忘れられないシーンになりました。

お互いに素直ではない二人が、ようやく吐き出した本音。

行動で語る二人ですから、ある程度は伝わっていたとしても、どちらもそれを相手が口に出すとは思ってなかったんだろうという反応が良いですね。

衝撃の銀ちゃんの「酒を酌み交わしてみたかった」という言葉にはもう、下手な言葉より想いが込められている気がします。
何かを語り合うよりも、同じ時を共有するだけでいい。できれば楽しい時間を。

銀ちゃんにとっては、高杉はそういう相手だったんだと伝わります。

恐らくそれが素直ではない銀ちゃんの、精一杯伝えられる本音だったんだろうなと思うと、胸が詰まる思いです…

また、漫画ではできない「色」による演出というのでしょうか。

終わりである「夜」に向かう、最後の戦い。

それを飾るのに、あの夕焼けはあまりにも美しかったですね。

虚を倒し、横たわる高杉を抱える銀ちゃん。

言葉を交わす2人を包む、夕焼けの光。

そしてさらに、現実では死を迎えつつある高杉とそれを見守る銀ちゃんの、二人が語らう桜の船の演出もまた、映画ならではの美しさでした。

桜舞う中出会って、刃を向け合って。

割と桜は二人を彩るモチーフであった気はしますが、最後の最後でこんな風に持って来られるとは思いませんでしたね。

死へ向かう船の中、ただ語らう…。
そして高杉はやっぱり、銀ちゃんに戻るよう伝える。
地獄での再会を約束して。

そんな感じで、割と原作通りに作られている映画でしたが、この最後の二人のシーンは本当に演出的にも時間的にも力が注がれているのを感じられました。

「坂田銀時」にとっては失い難い、ひとつの友情。

「高杉晋助」との、ひとつの絆を徹底的に描いた映画だと感じて、漫画を読んだとき以上に、ああこれを見れてよかった、と心から思いました。

長い「銀魂」という作品、もしくは「坂田銀時」というキャラクターの人生の区切りには、この二人の結末はあまりにも相応しくて美しかったからです。

なので最後の赤ちゃんはnot高杉派。

でもそれはそれとして高杉と銀時が酒を酌み交わしてほしい気持ちもある…。うう…複雑。

そしてもう一つの結末。

師である吉田松陽との再開と別れもまた同様です。

たった一瞬、一言だけ交わせた言葉。

きっと銀ちゃんと松陽の二人の間には、交わしたい言葉はもっと、もっとあったでしょう。

でも伝えたのは、「万事屋やってんだ」という一言。

松陽が見たのは、「仲間と共に生きている、一人の男」。

これだけの長い物語の中、やっと出会えた師との再開を、たった一瞬に落とし込んでしまう。

これは本当にすごい決断だなと改めて思いました。

交わそうと思えばいくらでも交わせる言葉を、あえてたった一つに絞る。

銀ちゃんはさっきも書いた通り、本気の思いをあまり言葉にしない主人公ではありますが、これはやっぱり徹底的に意識して描写してないんだなと感じますね。

自分の過去も、松陽や高杉、桂への感情も、万事屋や町のみんなへの感情も。

でも言葉にしないだけで、みんなには伝わっている。

だから、そんな仲間たちが繋いだ一瞬の中で出会えたからこそ、交わす言葉はもはやなくとも松陽には銀ちゃんがどう生きているのか、はっきりと伝わってるんでしょうね。

あえて長々と感動的に描かなくても、当の二人の間で伝わっているのだから、それ以上は描かない。

描かないからこそ感じる、言葉に出来ない二人の絆。

空知先生どれだけ凄いんだ…!と思わざるを得ません。

その、あえて描かれていないところが「銀魂」の魅力であって、「坂田銀時」というキャラクターにどうしても心奪われてしまう、最大の理由なのかもしれません。

とか考えてると眠れなくなりますね。

ほんと好きです…

正直映画化すると聞いた時も見に行く気はあまりなかったのですが、仕事帰りに行けそうだなと思ってうっかり足を運んだのが大正解でした。

完結したことで一旦収まっていた銀魂熱が、ここまで再熱しようとは。

漫画全巻持ってるので読み直したくなりましたし、仕舞っていた「万事屋よ永遠なれ」DVDをまた見たくなりました。
それが出来る環境を整えてる過去の自分ありがとう…!

ちなみに、映画の小説版も出てるようです!

漫画という原作があるのにあえてノベライズ…こちらも気になりますね。

あとは、
映画の前日譚であるセミファイナル!!!

これも見たいです!
dTVでの独占配信らしいですね。

銀魂のアニメはあまり見てなかったのでどのあたりなのか知らないのですが、万事屋篇と真選組篇がある模様。

万事屋篇「後先考えずに風呂敷を広げるもんじゃない」
真選組篇「直前になって大事なことを決めるもんじゃない」

見たい!!!!
特に、真選組篇ってどんな感じなんでしょう。
土方さんの「俺は万事屋を探しに行くよ」、が見れるのかが個人的には問題です。

さて、映画が最高だっただけに、落ち着くと終わってしまった寂しさがまた湧いてきました。

思えば今も購読している少年ジャンプを買い始めたのは銀魂がきっかけでした。

単行本を本屋でまとめて買ったのも覚えています。

長い間、笑わせて、感動させて、好きでいさせてくれた銀魂は、わたしにとって本当に大切な作品です。

改めて、
素晴らしい作品を生み出してくださった空知先生に本当に感謝…!

と同時に、銀魂でない新しい作品も見てみたいという思いもあります。

短編も面白いし、次があるとしたらどんな世界観のお話を書いてくれるのか、想像もつきませんね。

いつか、空知先生の新作が出るのを楽しみにしつつ、しばらくはまだ銀魂を堪能しようかなと思います。

感情のままに書いたのでなんだか長くなりました。

もっと万事屋視点の話とか、真撰組の話とか、女性陣の話とか、銀魂の世界観自体の話とか、色々書きたいことはあったのですが、それはまた機会があれば書くかも。

長々とお付き合い頂きありがとうございます。

では!

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